パターンオーダースーツの顧客アンケートで見えてきたもの

◆ かなり前から

疑問に思っている事がありました。
それはパターンオーダースーツに関してです。

ぼくのショップではオープン当初からパターンオーダースーツを取り扱っており、利用している方のほとんどから非常に満足したという感想を頂いています。

やはり自分で選んだ生地で自分のカラダにぴったりと合ったサイズのスーツはいいですよね。
テットオムではパターンオーダースーツの価格も既成品とあまり変わらないものから選べますし。

そんなパターンオーダースーツなんですが、初めての方で作る方が少ないように感じていたんです。
なので、スーツを買いに(見に)来たお客様にアンケートを取ってみようと思い、ヒアリングを開始しました。
スーツの需要自体が少なくなっているので、まとまった数になるのに1年程かかりましたが、ようやくパターンオーダースーツに関するお客様の印象がわかってきました。

ヒアリングを行ったお客様のうち、当店以外でパターンオーダースーツを作ったことのある方は約40%でした。作ったことのあるという方が意外に多かったですね。
で、作ったことないお客様に理由を聞いてみたところ、

1.既成品がちょうどいいサイズなので
2.バーゲンにならないため価格が高い
3.小さい生地から出来上がりを想像できない
4.出来上がりまで時間がかかる

以上が主な理由でした。
なるほどなという感じですね。

そして作ったことのあるという方には、満足したかどうかを聞いてみました。

○ 満足した…20%
✕ 不満足…35%
△ どちらとも言えない…45%

満足したという方が少ないのにちょっと驚きましたが、その理由も聞いてみました。

○ 満足した
・体型が既成品では合わないので体に合うスーツができた
・サイズは既成品と同じだが、裏地などの色が選べて自分だけの1着ができた

✕ 不満足
・オーダーなのにサイズが合っていなかった
・言った通りのカタチになっていなかった

△ どちらとも言えない
・時間もお金もかかったが、既成品との違いが感じられない
・出来上がった後にお直しをした

と、こんな感じでしたが、パターンオーダーという事で採寸しているのに、出来上がったスーツが微妙に大きかったり小さかったりするケースが非常に多く、それが満足できない、既成品を直しても一緒という結果となっている事がわかりました。

パターンオーダースーツのどこが合わなかったのかという質問には、

1.袖丈が長かった
2.パンツのお尻や腿がきつかった

というのがほとんどでした。
中には出来上がるまでの間に太ってしまったという方もいたので、それは除外するとして、パターンオーダーでサイズが合わないのは採寸者(販売スタッフ)に問題がありますよねやっぱり。

採寸者は、お客様の体にメジャーをあてながら、各寸法をいじったあとの出来上がりを想像できなければいけません。
また、どこを何センチいじったら他の箇所にどのくらいの影響が出るのかもわかってないといけません。
この基本的な事ができない(わかってない)販売スタッフが多いんじゃないかなというのがぼくの結論です。

例えばジャケットの肩。
既成品のMサイズで肩周りがキツいなと感じてLサイズを着るとちょうどいい。
というケースがあったとします。

着比べてみるとずいぶん違うように感じますが、ワンサイズ分の肩幅は、大抵の場合1㎝(片側で5㎜)しか変わりません。
なので、Mサイズで袖の長さはちょうどいいが肩がキツいなんていうケースで肩幅を片側1㎝大きくしたら、結構なデカさの肩周りになった挙げ句、裄丈(肩幅から袖口までの長さ)が大きくなり、結果袖が長くなる、ということになります。

これが出来上がってから袖が長くて再修理となる、1番多いパターンなんじゃないでしょうか。

 

例えばパンツのヒップ。
Lサイズのパンツを穿いて、お尻の部分はちょうどいいがウエストが緩い。
というケースがあったとします。

既成品でもウエストを寸分のゆとりもなくピッタリ合わせたいという方がいますが、パンツのウエストとヒップは繋がっているので、ウエストを小さくすれば必然的にヒップも小さくなります。
パターンオーダーではヒップの寸法が指定できない場合が多いので、ウエストとヒップに関してはよりシビアな採寸をしなければなりませんし、場合によってはヒップ優先でウエストは若干緩めという出来上がりにしなければならない事もあります。

ウエストだけが細いという体型の方は意外に多いので、ウエストにばかり気を取られるとヒップがきつくなってしまうという事になりがちです。

このように、パターンオーダーでは採寸者にある程度の知識がないと十人十色のお客様の体型にピッタリ合ったスーツを作るのは難しいものですが、こうしてヒアリングをしてみると、現状の販売スタッフのレベルが全く追いついていないというのが見えてきました。

ぼくもこれまで多くの販売スタッフを見てきましたが、スーツ屋で働いていたと言いながら、スーツのハンガーのかけ方やたたみ方すらわからない、という人間のなんと多いことか。
まあ洋服屋に限ったことではありませんが、販売という職種に従事する人間で「その道のプロ」という人がどんどん少なくなってきているんじゃないでしょうか。

パターンオーダーを展開するメーカーの方は、販売スタッフの教育にもっと力を入れたほうがいいと思います。

そして、買う側のお客様は、よりプロフェッショナルな販売スタッフのいるショップでパターンオーダーを注文してみてください。
「ちょうどいいサイズ」の認識が変わるほど、自分の体に合ったスーツに袖を通す感動を是非味わうことができますので。

 

でもアレです。
「プロフェッショナルな販売スタッフ」なんていないしどうやって探すのよ…
という問題もありますよね。ある意味これが1番難しいかも…。
そういう方は是非一度当店へ。ぼくがきっちり採寸しますので(笑)

 

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